第40話 主導権争い

教室の片隅で、楽しそうにおしゃべりしている人たちがいる。

「だから、ガラナってのは、北海道人だけがおいしいって思うんだって」
「え、なにそれ~!?」

 ガラナというのは、簡単に言うとコーラのような飲み物である。北海道でしか見ない物、ということになっているらしい(笑)

 話がドイツ語とは関係がないため、何とかこちらに話の主導権を持って来ようと試みる。

「何、ガラナ?知人のお子さんがね、あれにラムネを入れたらどうなるんだろうと思ったんだって。それで…」

 にやにやする学生も何人か。同様の体験をした話は割りに聞く(^_^;)

「じゅばーっっとあふれたんだって。お母さんは、ホントバカでしょ、って言ってたけど…」

 蛇足ながら、ラムネ等でも同様の結果が得られるらしい。

「炭酸系飲み物と言えば、ドイツにいたとき私は実は『Spezi』というのが好きだったんだよね。Speziって、いわばコーラのファンタ割り…」

(えっ~~っ(◎_◎;))

「レモネード割りっていうか、うん、ドイツ人の先生も、この話をすると学生が引いちゃうってどこかで言ってたよ」

 と、なんとか話を強引にドイツ語に戻す。ドイツ語ではないような気もするが、そこはドイツ文化の話ということで(笑)

 そんなある日、テキストに出てきた単語、Zug が話題となった。

n「Zug、まあ汽車というか電車というか…こちらでは、私鉄もないし、『汽車』って言ったりするけど…」

 (汽車か電車かについては、昔、このサイトでも話題になったことがありましたね)

 すると突然、学生が手を挙げた。

「先生!手袋は、『はく』ものですよね?ね?」
「え~~~っ!?それじゃ、靴下みたいじゃない?手袋は『つける』よねえ?」
「北海道では、『はく』っていうんだよ」

 話の主導権は、学生のものとなり、しばらく戻ってこなかった(~_~;)

(2009/11/01)

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