第37話 気遣い

後期の授業が始まってまもなく、ある学生から呼び止められた。

「先生~、前期の試験の結果って、わかんないんですかあ?」

「前期の結果?ううむ…いや~、答案返して検討するのが良いというのは分かっているのだけど。。。」

前期・後期と続けて同じクラスを担当する場合、前期の試験の結果を公表するか、あるいは答案そのものを返却するかどうか、迷うところである。昨今では、成績の基準等、情報公開する方向になってきているらしいので、本来点数も公表すべきなのか知れないが、

「まあ、採点基準とかいろいろとあるし、、、あまり大声では言えないけど、上げ底したりとか(ごにょごにょ)」

(ここで、「上げ底」の是非は問わないことにしたい(^^;))

などと意味不明気味の言い訳をしつつ、ふと付け加えた。

「ああ、別に君がそうだというわけではないからね?」

後で考えると、余計な一言だったのだろう。

「先生、気を遣わなくていいっすよ。それ、絶対俺だから(^O^)」

「…(^^;)」

そうか、自覚はあったのか、と内心で感心したのだが、しかし図星だとは言えなかった。

(2004/10/25)

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